セイコー スポーチュラ クロノグラフ 9T82-0A70

ジャンク品のセイコー スポーチュラ クロノグラフ 9T82-0A70をヤフオクで5万円くらいで購入した。
ジャンクの原因は、発電しても2ステップ秒針で動き、すぐに止まるで、2次電池(キャパシタ)の交換で簡単に治るだろうと軽く考えての購入。

もちろん、自分で2次電池を交換するつもりだ。
ネットで調べたが、Cal.9T82の2次電池交換の情報が皆無だ。書いたら消されるのだろうか(笑)

とりあえず裏蓋を空ける。
なかなか美しいムーブメントだ。
横から見ても、電池らしきものは見当たらない。

続いてローターを外す。
まだ電池は見当たらない。

じょうがないので受けを外してみた・・・
げっ・・・ものすごく複雑な機械が・・・これ以上分解したらダメなやつだ(爆)
そのままそっと受けを戻したのは言うまでもない(笑)

セイコーの時計はネットで修理が申し込めるので試してみた。
https://www.seiko-watch.co.jp/support/repair/contact.php
手続きは簡単だ。
すぐに予想見積価格も分かる。OHと2次電池の交換で料金は25000円くらい。
あの複雑な機械を考えると激安だ。

数日すると配送キットが送られてくる。
箱を組み立てて時計を入れて送り返せばOKだ。

まだ時計は届いていない。

BULOVA ROYAL OAK

BULOVA ROYAL OAK
ジェラルドジェンタがブローバに在籍していたときにデザインしたと言われている、もう1つのロイヤルオークだ。
不動品をヤフオクで1万円くらいで購入。

ベゼルが完全な8角形ではなく、縦に長い8角形だ。
ロイヤルオークとパテックのノーチラスのいいとこどりと言えなくもない。(笑)
ケースやベルトのつくりは、なかなか良く、本家と比べて見劣りしない。
しかしこの時計・・・何か物足りない。理由は針が細いのと、文字盤がフラットだからだろう。

クオーツの回路がお亡くなりになっていた。
ムーブメントはESA 944.111。e-bayを見たら同じムーブの時計はあるが、あんまりお金はかけたくない。さらに調べてみると、ESA 944.111は、ETA 2852とカレンダーまわりの部品が同じみたい。
在庫にETA 2852系があったので、ESA 944.111と比べてみると、ムーブメントの直径や厚みが同じだ。驚くことに、カレンダーの位置、文字盤の足の位置、3針の穴のサイズ、さらにキドメの位置まで同じだ。クォーツと手巻きで互換性があるとは。
で、手巻きムーブに置換した。ぴったりはまった。ついでに、オリジナルの竜頭は手巻するには小さすぎたので大きめの竜頭に交換した。

筒カナ締め

ヤフオクで中華トゥールビヨンを落札した。
遅れが生じることを承知しての落札。30,000円くらいだった。
確かに結構遅れる。半日で30分くらい遅れる。しかしタイムグラファーにかけると歩度はそんなに悪くない。

置きまわりが発生しているのだ。
置きまわりは、ツツカナがゆるんでいるとき発生する。
時間合わせをしたとき、やたら軽く感じるのですぐに分かる。

ツツカナを締めればよいのだが、過去に3回くらい失敗している。
ツツカナを締めようとして、ツツカナが割れたり、締めすぎたりした。
いずれも、筒カナ締めという、ヤットコのような道具を使って失敗した。

筒カナ締めで筒カナを締めてはいけない。変な話だけど。
ヤットコでは微妙な力加減ができないからだ。
名前に騙されてはいけない(笑)

ツツカナを締めるにはポンス台を使うのがよい。
あと、念のため、筒カナの中心に棒を通して締めすぎないようにするとよい。
やり方は、こちらのホームページに詳しい説明がある。

で、トゥールビヨンだが、ポンス台を使うこことで、うまく筒カナを締めることができた。

ロンクロ

ロンクロと言えば13ZNや13CHが名品だが、本当の名品は懐中クロノだと思う。
各レバー類は、美しく、複雑な形状をしてる。
この機械の特徴は、60秒ちょうどで積算計が、カチッと動作するところだ。
この積算系を搭載している現行モデルはランゲのダドグラフくらいしかない。(量産品では)
ムーブメントはCal.19.73Nと、それより少し小さいCal.18.72がよく見られる。

今回修理したのはCal.18.72だ。
状態は不動。この種類の時計は過去に10個以上修理しているが、不動の原因はほぼゼンマイ切れだ。
分厚い、高トルクのゼンマイを使っているため切れやすいのだろう。
この時計のすばらしいところは、クロノグラフの部品をほとんど外さなくてもゼンマイ交換できることだ。
よく時計の本にはモバードクロノグラフがモジュール化によりゼンマイ交換を容易にした云々と書いているが、それよりずーっと前に実現しているのだ。

偏屈のすすめ

独立時計師フランソワ ポール・ジュルヌ氏の本。
タイトルがイマイチだったので、ずっと読んでいなかったが、読んでみたらおもしろい本だった。
F.P.ジュルヌ氏が独立時計師になるまでの経緯や、時計製作のストイックなこだわりが書いてある。
独立時計師を目指すなら必読だ。
ただ、この本を読むには覚悟が必要である。
なぜなら、F.P.ジュルヌの時計が猛烈に欲しくなるからだ。
まぁ逆立ちしても買えないけどね。

同じムーブメントの時計

ブライトリング ナビタイマークォーツとセイコーALBA。
2つの時計は同じムーブメントである。
同じムーブメントとは思えないほど、かっこよさが違う。
しかもナビタイマーはイラク空軍というおまけ付き。
ALBAはナビタイマーが壊れたときの予備に購入。ヤフオクでわずか1,000円だった。


懐古趣味

機械式時計は、懐古趣味であると思う。
昔、乗馬は実用の手段であったのが自動車の登場で消えたが趣味として残っている。機械式時計もそれと同じである。
実用性を考えると機械式時計はクォーツに敵わない。
馬はお金がかかるし、道路を走れないが、機械式時計なら維持費はOH代くらいだし、普段使いできる。
そういう意味では、機械式時計はリーズナブルかつ実用的な懐古趣味である。

最近、シリコン製のヒゲゼンマイとか、機械式時計も進化しているみたいだが、微妙に方向がずれていると思う。
所詮は懐古趣味であり、どんなに頑張ってもクォーツに精度で勝てない。
スプリングドライブなんて、乗馬の馬に電動アシストを付けているみたいだ。

もっと懐古趣味を刺激する時計がたくさん出てきてほしい。