スピンドルモーターを直付け

以前から気になっているのはスピンドルまわりの振動と騒音だ。
今回、高出力のモーターに置換したため、さらにひどくなった。
作動中にスピンドル部分を手で触ると、明らかに振動している。
この振動が加工に悪影響を与えている可能性がある。
スピンドル部分のベアリングを交換したが全く改善されない。スピンドル自体はスムーズに回る。
となると、原因はプーリーとベルトまわりの振動ということになる。

この写真はカイゼン前

で、スピンドルモーターをプーリーを介さずに直接取り付けてみた。

まず感じたのは、動作音がすごーく静かになったことだ。モーターは最高回転でもプーリー駆動とは比べ物にならないくらい静かだ。
この中華製スピンドルモーター、スピンドルの振れはチャックしたエンドミル部分で0.07mmもある・・・。さすが中華クォリティ。
あーーナカニシのスピンドルモーターが欲しい。

で、トゥールビヨンの柱を加工してみた。
加工精度は、あんまりカイゼンされない(爆)
相変らず、キャリッジの柱は0.15mmほど小さく可能される。
加工精度はカイゼンされなかったが、動作音がかなり静かになったので、とりあえずこれでいく。
あーーナカニシのスピンドルモーターが欲しい。(2回目)
いろいろ試行錯誤したスピンドルモーターだが、結局、直付けで落ち着いた。

スピンドルの振れ

スピンドルの振れを計測してみる。
既にヤフオクでデジタル ダイヤルゲージは購入している。磁石で固定する台付きで3,000円くらい。安い。

0.14mmも振れがあるやんけー。
こんなに振れがある状態で今まで切削していたとは・・・ショックだ。

犯人は分かっている。
ER11コレットホルダー おまえだっ!
軸の付いていないER11は、基本的にダメだと思った方がいいかも。
ER11コレットホルダーを外した。かなりいい感じでがっちり圧入されているので抜くのが大変だった。

軸だけでセンターを計測した。ばっちり0.00だ。

軸の太さは6パイ
ちょうどいい具合に、ER11と6パイの軸が一体になったコレットフォルダーが部屋に転がっていたので、これで試してみる。

スピンドル部分をバラす。めんどくさい。時計を作りたいだけなのに・・・何やってんだ俺。
で、置換完了。

スピンドルの振れは・・・0.01mmまで低下。
1桁マイクロでないのが残念だが、末端のチャックしているエンドミル部分の振れなので、まぁ合格ラインではないでしょうか。

早速切削してみる。
前回と同じくトゥールビヨンの柱部分を試してみる。

うーーん。
まだ0.15mmほど小さく加工される。
改善前の0.26mm前後に比べると確実に改善されているが、それでもイマイチだ。

他の原因として考えられるのは、振動だろうか。
今日は、時間切れなので、またいろいろ調べてみる。

トゥールビヨンの柱部分の加工テスト

トゥールビヨンの柱部分をCNCで切削すると、上にいくほど細く加工され、円もキレイにできない。
これを改善しないと美しい部品はつくれない。
まずは加工のテストをしてみる。

捨て板は真鍮板とし、あらかじめフライスでさらって平面出しをする。シマシマに見えるが指で触るとツルツルしている。

材料(ワーク)はジュラルミンA2017。
材料の固定は両面テープをやめ、先ほどの真鍮板に瞬間接着剤でがっちり固定する。
バイスが無いので、裏蓋を閉める道具で固定。

加工してみた。
エンドミルは大きめの4mmを使用。エンドミルは太い方が振動が少ないので正確な加工ができる。
(少し前まで、細い方が正確な加工ができると勘違いしていた・・・)
加工速度は、F400からF100に下げた。
荒削りは設計より0.2mm大きくし、仕上げで削りで設計通りの切削をし、最後にゼロカットする。

うーーんイマイチ。
丸の形状は比較的キレイにできたが。
柱の細い部分は設計値 1.20ファイなのに、0.94ファイしかない。
柱の太い部分は設計値 1.50ファイなのに、1.22ファイしかない。
つまり、設計値より0.26mm~0.28mmも小さく加工される。

前から、ポケット加工、島加工すると、島の部分は設計値より小さく、外周部分は設計値より大きく加工されていた。
材料の固定方法を変えてもあまり改善されない。

原因はだいたい分かっている。
それはスピンドルの振れだ!
既に、ヤフオクでデジタル ダイヤルゲージは購入している。

カイゼン4 製作方法のカイゼン

トゥールビヨンのテンプ、アンクル、ガンギの入る穴石は、上下がぴったりと合っていないと時計は動かない。
また、穴石が入る穴の間の距離も、かなりの精度が要求される。
極論を言うと、各穴の距離さえ合っていれば、他はダメダメでも時計は動く。ちなみに縦距離(アガキ)も重要だが穴石の移動で調整可能なのである程度融通が利く。
つまり、穴石間の距離は、最も重要な要素なのだ。

最初は上下の穴を個別にCNCの切削で開けていたが、まったく上下が合わなかった。

少しカイゼンし、アンクル、ガンギの穴は、片方の穴はCNC切削中で開け、もう片方の穴は、部品を組み立てた状態で、開いた方の穴をアンナイにボール盤で穴を開けていた。
また、テンプの穴石の入る穴は、時計旋盤にキャリッジを固定し、かなり強引な方法で穴を開けていた。
これで上下のズレはカイゼンされたが、それでも穴石間の距離は計通りにならない。

キャリッジに最下部のパーツをジグに接着剤でがっちり固定して加工する。加工後、そのパーツは外さない状態で、キャリッジの組み立てをし、CNCを手動送りして穴をあける。
まず下穴を開け、CNCのXYは一切動かさず、Zだけ動かし、部品を組み立て後に上穴を開ければ、上下は完全に一致するはずだ。

ほとんど全てのカイゼンは、先日ご紹介した浅岡氏のSNSから得た情報である。
本場スイス人でさえ、こんな詳しい情報を公開している人はいない。日本人に生まれてヨカッター。

カイゼン3 設計のカイゼン

トゥールビヨンキャリッジの設計は、ネットの情報をもとにオリジナルで設計していたが、設計を大幅に見直す。

今までの設計は、精度より加工しやすさを優先していた。
CNCの加工部分は、0.6mm厚の板だけで済ませ、立体的なでっぱり部分は時計旋盤で別途加工して圧入していた。
当然CNCの加工は片面加工のみ。
しかし、これでは十分な精度が出ない。

片持ちのフライングトゥールビヨンはやめて、両持ちにする。
これは精度ではなく見た目のカイゼン。フライングトゥールビヨンは中華ビヨンっぽいイメージがあるので(笑)

キャリッジの柱部分などのでっぱりは、CNCで一体で切削する。
最下部の部品は、両面加工に挑戦する。そのためのジグも設計する。

設計は相変わらず2次元CADですが・・・

カイゼン2 加工パスのカイゼン

フライス加工する際、荒削り→仕上げ削りをするのが一般的だ。
そんな超基本的なことも知らず、ほとんど荒削りだけで加工していた。
一応、フライス盤に関する書籍を1冊斜め読みしていたが、全く頭に入っていなかったようだ(爆)

荒削り段階では、材料とエンドミルの両方に大きな負荷がかかり、材料は削られるのイヤイヤと歪み、エンドミルは削るのイヤイヤと歪む(爆)
だから設計通りの加工できないのだ。
ほとんど負荷のかからない状態で、仕上げ削りを行えば、正しく加工できる。
最後にゼロカット(削りシロゼロ)を行う。
ゼロカットは、意味が無いように思えるが、仕上げ加工でも、両者の歪みは若干あるので、それを是正するために必要なのだ。

以前、キャリッジの柱部分が上にいくほど細く加工される問題をこのブログで書いたが、これも加工パスを見直すことでカイゼンされるはずだ。
荒削り→仕上げ削りを繰り返しながら掘り進めることで、細くなる問題が解決できる。

何千万円もする強固なマシニングセンターでも、エンドミルと材料の剛性は、私の15万円のCNCと同じなので、きっと同じ問題が発生するだろう。
そう考えると、マシニングセンターさえあれば、精密加工はカンタンというわけではなさそうだ。
むしろ、加工パスを自動生成するソフトウェアで優劣が出るだろう。
つまり、それくらい加工パスは重要だと言うことだ。

ちなみにこれはカイゼン前の加工パス。

カイゼン1 ワーク(材料)の固定方法のカイゼン

今までは、材料(ワーク)の固定は、捨て板となるPOM板の上に両面テープで固定していた。
さらに、ベースの捨て板(POM板)も、テーブルの上に両面テープで固定していた。
また、材料はチップソーで切断するのが大変なので、大きいまま使っていた。
こんな感じ

CNCの加工精度を低下させる原因の1つとして、材料の振動があることが分かった。
POM板や両面テープは、やわらかい素材なので、材料の振動が大きいだろう。
言わば、座布団の上に材料を乗せて加工しているようなものだ。
また、材料を大きいまま使うのも、振動を増幅させているように思う。

カイゼン策として、捨て板は、POM板をやめて、真鍮板とする。テーブルへの固定は両面テープではなくネジでしっかり固定する。
また、捨て板と材料の接着は、両面テープをやめて、瞬間接着剤で固定する。瞬間接着剤は、ロックタイト金属用とし、接着時はバイスで強く圧迫する。材料は大きいまま使わず、ちゃんと切断する。

これは加工精度とは関係無いのだが、キャリッジの材料は、真鍮をやめてジュラルミン(A2017)にする。
日本人としては、超々ジュラルミン(A7075)を使いたいところだが、薄い板は売っていないようなので、今回は見送った。

とりあえず、いろいろ準備は進めている。

WEBクロノス

私が勝手に師と仰いでいる浅岡肇さんの初期のSNSを発見した。
webChronosのSNSにあり、会員登録しないと見られないサイトなので、いままで発見できなかったのだ。
会員登録は無料なのでぜひ。

今まで彼のfacebookや、メディアの記事、書籍ジャパンメイドトゥールビヨンなどを読み漁っていたが、時計製作のノウハウに関しては、いずれも断片的な情報であり、時計製作がイチから分かるものでは無かった。

webChronosのSNSにある彼の投稿は、かなり詳細にイチからトゥールビヨンの製作方法が記録されており、私にとっては国宝級に値する情報だ。
最初の投稿は2008年。今から約10年前だ。今の私の年齢に近く、子供のこととか親近感のわく投稿もある。

2週間くらい前に発見し、毎日の通勤電車の中で読むことが日課になっている。
目からウロコが落ちまくりで、改めてすごい人だと思った。
ここで得た情報をもとに、製作方法を大幅に見直したいと思う。

CNCのスピンドルモーターを交換する-4

CNCのブログみたいになっているが・・・一応時計関係のブログです。

新しく購入したスピンドルモーターは48V、400Wと高出力なので、基盤についているちっこいリレーだと不安なので、外部にリレーを増設することにした。

オリジナルマインドの資料を見るとSSR(ソリッド ステート リレー)が良いみたいなので、アマゾンで購入。しかしチャイナ発送で2週間たっても届かない・・・。

なぜかオムロンのリレーが家に転がっていたので(笑)これを使う。
回路図はこんな感じ。前々々々職が電気関係なので・・・電気はちょっとだけ得意なのだ。
補足:図のCNCボードの結線に誤りあり、実際はgndではなくMO+とMO-に接続する。

左側は今回増設したオムロンのリレー。右側が基盤に付いているちっこいリレー。

速度コントローラは裸だったのでとりあえず箱に入れた。

スピンドルモーターの試運転をしてみた。
すごいパワーと回転速度だ。
パワーをMAX近くにすると、さすがにベルト駆動では回転が追いつかないようだ。
パワーを60%くらいにするだけで、感覚的に2万回転くらいはいってるように思う。(交換前のモーターが1万回転と想定しての個人的感覚)

次にCNCの手動送りで、ドリルで穴を開けてみた。
全然穴が開かない。何かがおかしい・・・。
よくみたらモーターの+-が逆で逆回転していた・・・オイオイ電気は得意なんじゃないの?
+-を入れ替えて無事試運転が完了。

エンドミルによる切削はまだ試していない。

セイコー スポーチュラ クロノグラフ 9T82-0A70

ジャンク品のセイコー スポーチュラ クロノグラフ 9T82-0A70をヤフオクで5万円くらいで購入した。
ジャンクの原因は、発電しても2ステップ秒針で動き、すぐに止まるで、2次電池(キャパシタ)の交換で簡単に治るだろうと軽く考えての購入。

もちろん、自分で2次電池を交換するつもりだ。
ネットで調べたが、Cal.9T82の2次電池交換の情報が皆無だ。書いたら消されるのだろうか(笑)

とりあえず裏蓋を空ける。
なかなか美しいムーブメントだ。
横から見ても、電池らしきものは見当たらない。

続いてローターを外す。
まだ電池は見当たらない。

じょうがないので受けを外してみた・・・
げっ・・・ものすごく複雑な機械が・・・これ以上分解したらダメなやつだ(爆)
そのままそっと受けを戻したのは言うまでもない(笑)

セイコーの時計はネットで修理が申し込めるので試してみた。
https://www.seiko-watch.co.jp/support/repair/contact.php
手続きは簡単だ。
すぐに予想見積価格も分かる。OHと2次電池の交換で料金は25000円くらい。
あの複雑な機械を考えると激安だ。

数日すると配送キットが送られてくる。
箱を組み立てて時計を入れて送り返せばOKだ。

まだ時計は届いていない。