小宇宙

複雑時計のことを「小宇宙」と表現したり「人類が作りうる最も複雑な」と表現したりする人がいるが、ちょっと違うと思う。
我々が普段目にする最も複雑なものは生物である。生物の複雑さは複雑時計の比にならない。
蚊なんて、あんなに小さいのに空を飛べるし、自分で考えて行動するし、しかも繁殖できる。生物こそ小宇宙である。

人類が作りうる最も複雑なモノはコンピューターである。コンピューターの複雑さは複雑時計の比にならない。
コンピューターはどんどん生物に近づいている。DNAとコンピューターのプログラムは類似性を感じるし、AIは急速に進化している。

複雑な機械式時計に魅力を感じるのは、その複雑さが目に見えるからだろう。
歯車やカムが複雑に重なっている光景は、理屈抜きに魅力を感じてしまう。

オメガ ダブルイーグルクロノ

日常使いにはオメガ ダブルイーグルクロノを使っている。
この時計は、フレデリックピゲのクロノグラフムーブメントを搭載しており、しかもコーアクシャルでクロノメーターである。
精度は恐ろしく高い。1か月連続して使用しても、時刻合わせは不要である。おそらく日差1秒程度だと思う。
パワーリザーブも十分で、2日間空けて使用しても連続して使える。
ケースはチタンでラバーベルトなので軽く、ボーイズサイズなので手になじむ。
まさに日常使いにぴったりの時計だが、個性的なデザインが災いしてか、市場の評価は低い。
↓これなんて、やや外観の程度は悪いが13万円(税抜)で購入できる。フレデリックピゲのクロノグラフムーブメントとしては破格ではないだろうか。
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ちなみに、私の愛用機はシースルーバック仕様にしている。
裏蓋は不透過のサファイヤガラスなので、それを交換するだけでいいのだ。
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一番好きなムーブメント

一番好きなムーブメントは、ロンジンのCal.19.73Nである。
懐中時計のクロノグラフだ。
生産数が多いのか、ヤフオクにはよく出ており、相場は5万円前後と比較的安価に入手できる。
リセットハンマーなどクロノグラフのパーツの流れるような造形が美しく、積算系が60秒ちょうどでカウントされるパーツも美しい。
この造形のまま腕時計サイズに縮小されたムーブメントがあれば最高なのだが、その条件を満たすのは、パテックかランゲくらいなのでとても手が出せない。
ちなみに写真のムーブは、スプリットセコンドが付いているモデルなので簡単には入手できないですよ。

時計の針抜き

時計の針抜きは、2本の棒で抜くタイプと、はさんで抜くタイプの2種類がある。
針抜きは慎重に行わないと文字盤にキズがつく。
2本の棒の方が微妙な力加減ができるので、私は、はさむタイプをほとんど使わない。
さらに顕微鏡を使い慎重に作業している。
プロの職人でもはさむタイプを使っている人を見るが、大丈夫なのかなと思う。
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最も優れているデザインの時計

最も優れているデザインの時計を1つ挙げよと言われたら、オーデマピゲのロイヤルオークを挙げる。
ジェラルド・ジェンタのデザインだ。
スポーティでかつエレガントなデザイン、そして機能美がある。
しかし、最近のモデルは分厚すぎるし、オフショアなんかゴチャゴチャしているので好きになれない。初期のジャンボが最も美しいと思う。
2番目を挙げるなら手巻きデイトナかな。60年代の4桁ロレックスはどれも美しいデザインだ。
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オーデマ・ピゲのムーブメント

オーデマ・ピゲのムーブメントを集めている。10個くらいあると思う。理由は時計本体の価格が高すぎるので買えないのと、薄型でエレガントな金時計は私には分不相応だからだ。
相変わらずデカ厚ブームなので、薄型のオーデマ・ピゲは不人気だ。一方で金の価格は高騰しているので、不人気な時計のケースは金の材料となり、ムーブメントだけが放出されるといったことが起きている。
ムーブメント単体は、ヤフオクを探せば、2万円前後で落札できる。
ムーブメントはルクルトベースである。さすが定価100万円超えの時計だけあって、仕上げが美しい。
しかもジャイロマックステンプだ。
いつかこのムーブメントをベースに自作時計をつくりたいと思う。
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ツゥールビヨンを修理した

ツゥールビヨンを修理した。
と言っても1000万円超えの時計ではなく、中華製のやつである。
ゼンマイをフルに巻いた状態で全く動かない。
顕微鏡で見ると、ガンギ車の軸に糸クズがグルグルにからまっている。これって製造時に入ったんじゃないの?
ツゥールビヨン部分のみ分解し、糸クズを完全に除去したところ、元気に動きだした。
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オメガcal.3303を分解した

オメガcal.3303を分解した。
オメガcal.3303は、フレデリックピゲ製のムーブメントで、比較的高級な時計に搭載されている。
ピラーホイールがあり、ムーブメントマニアな私も許容範囲にあるムーブメントだったが、分解してみてガッカリした。
リセットハンマーが単なるペラペラの板なのだ!
機能性・合理性を求めるならクォーツでいいわけで、新DAYTONAのムーブやパテックの同軸クロノなんかもそうだが、機能を重視したばかりに、見た目を軽視したムーブは違うと思う。
まぁDAYTONAなんかは顧客の99%はマニアじゃない人だからいいのかな。
やはりビンテージのクロノグラフがいいなぁ。
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Bolay f1

私が愛用している時計旋盤は、Bolay f1である。
時計旋盤の最高級機種である。私にとってはネコに小判だ。
実物は写真で見るよりずっとコンパクトである。
そのくせ驚くほど重い。鉄の塊といった感じだ。
アタッチメントが豊富だが、全然使い方が分からない。
テールストックにはER11を使っている。入れホゾするには必須のアイテムだ。
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19セイコーの巻真製作

19セイコーの巻真が折れているので修理する。
ググってみたけど4つバネ式の巻真は無さそうなので時計旋盤で製作した。
4番車の入れホゾなんぞに比べると大雑把でいいので作業は比較的楽だが、それでも4つバネに出入りする部分は何度が調整が必要だった。
竜頭は部品があったので新品に交換。
はめ合いがキツかったので、これも旋盤で調整。
完成品の写真撮影を忘れてしまった・・・
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