時計の製作にチャレンジしたいと思う

時計修理の趣味は、時計修理技能士1級の取得で一区切りついたので、今度は時計の製作にチャレンジしたいと思う。
時計の部品をつくるには、金属の材料を加工する必要がある。
日本人の独立時計師である浅岡肇さんは、CNCフライス盤を自在に操って精密な部品を作り出している。
手動の旋盤でも部品をつくれるが、効率が悪そうなので、私もCNCを使いたいと思う。
実はCNCは既に購入している。
CNCといってもマシニングセンターではなくホビー用ものだが、これで十分だ。
パソコンはどちらかと言えば得意な方だが、機械設計や工作機械は全くの素人なので、どこまでできるか分からない。

チップソー

チップソーを購入した。
時計部品の材料となる、厚みが3mmの真鍮板を切断するため。
わずか3mmの厚さだが、これをノコギリで切るのは苦労する。

実際に切断してみた。
カンタンに切れる。これは便利だ。
だが、切削クズがすごく飛び散るので注意が必要だ。

手作り時計-2

ネットで「手作り時計」で検索すると、カナヅチで真鍮板をたたいいて作ったような、DIY感のある時計がヒットするが、全く欲しいとは思わない。
我々、時計オタクが求めているのは、もっと精密な工作精度の高い手作り時計である。
手作りのモノを求めているくせに、工作精度が高くないとイヤというのは、なんか矛盾しているように思うが・・・オタク心は複雑なのである。

機械式のミニッツリピーターであっても、先の鋭角な面取り仕上げであっても、突き詰めれば、生産の自動化や大量生産ができると思う。
ただ莫大な設備投資に対し、そこまで需要が無いからやらないだけである。
それに機械式のミニッツリピーターが1万円でドン・キホーテに売っていても魅力を感じない。やはりオタク心は複雑なのだ。

手作り時計

世の中の流れとして、大量生産されたブランドモノより、職人が手作りしたモノを良しとする傾向に移行しつつあると思う。より市場が熟成した証拠であろう。

パテックであっても、所詮は量産品の時計である。生産の作業は細かく分担されており、基本的にスマホや車と同じ工業製品である。(一部コンプリケーションを除く)
NHKでフィリップ・デュフォーさんの番組を見たときは衝撃を受けた。これこそまさ求めていたものであると思った。
販売当初は200万円くらいで購入できたみたいだが、今はとんでもない値段に上がっている。
578万円!
http://www.timetunnel-jp.com/used_Philippe_Dufour.html

もっと時計を手作りする日本人が出てきてもいいと思うが、それだけで食っていくのはなかなか難しいのか、数えるほどしかいない。
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時計を設計するCAD

浅岡さんやしたーじゅさんは3次元CADを自由に使いこなし、時計の部品を製作している。
3次元CADのAutodesk360は安価で高性能のようだが、3次元CADはハードルが高い。
まずは2次元CADで設計し、G-Simpleで立体化してGコードを出力する方向で進めたいと思う。
G-Simpleは簡単なCAD機能があり、ツールパスを自動生成してくれるので、入門者には最適らしい。
しかも丁寧な解説書が販売されている。
まずは解説書をじっくり読んでみたいと思う。

時計のムーブメントを製作をしようと思う

そろそろ本腰を入れて時計のムーブメントを製作をしようと思う。
既にCNCは購入した。CNCといっても数千万円するマシニングセンターではなく10万円くらいのホビー向けだが。
まずはユニタス6497の部品をリバースエンジニアリングするところから始めたいと思う。

したーじゅさん

日本人の独立時計師として、菊野さんや浅岡さんが有名だが、またまたすごい人が現れた。
名前はしたーじゅさん。
CNCで全ての部品を削り出して製作している。ちなみに軸は時計旋盤で製作している。
ヒゲゼンマイまで自作したとは驚きである。
穴石等は使っていないが、これは全て自分で製作するという意地のように感じる。
時計を製作するのにお金がかかるのは過去の話である。
安価なCNCの登場、3D CADの機能向上、さらにインターネットの普及で、工具や材料が簡単に購入できる環境や、情報収集・コミュニケーションの環境が整った。
今こそ自分で時計をつくれる時代が来たのだ。
詳しくはこちら
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