カイゼン1 ワーク(材料)の固定方法のカイゼン

今までは、材料(ワーク)の固定は、捨て板となるPOM板の上に両面テープで固定していた。
さらに、ベースの捨て板(POM板)も、テーブルの上に両面テープで固定していた。
また、材料はチップソーで切断するのが大変なので、大きいまま使っていた。
こんな感じ

CNCの加工精度を低下させる原因の1つとして、材料の振動があることが分かった。
POM板や両面テープは、やわらかい素材なので、材料の振動が大きいだろう。
言わば、座布団の上に材料を乗せて加工しているようなものだ。
また、材料を大きいまま使うのも、振動を増幅させているように思う。

カイゼン策として、捨て板は、POM板をやめて、真鍮板とする。テーブルへの固定は両面テープではなくネジでしっかり固定する。
また、捨て板と材料の接着は、両面テープをやめて、瞬間接着剤で固定する。瞬間接着剤は、ロックタイト金属用とし、接着時はバイスで強く圧迫する。材料は大きいまま使わず、ちゃんと切断する。

これは加工精度とは関係無いのだが、キャリッジの材料は、真鍮をやめてジュラルミン(A2017)にする。
日本人としては、超々ジュラルミン(A7075)を使いたいところだが、薄い板は売っていないようなので、今回は見送った。

とりあえず、いろいろ準備は進めている。

WEBクロノス

私が勝手に師と仰いでいる浅岡肇さんの初期のSNSを発見した。
webChronosのSNSにあり、会員登録しないと見られないサイトなので、いままで発見できなかったのだ。
会員登録は無料なのでぜひ。

今まで彼のfacebookや、メディアの記事、書籍ジャパンメイドトゥールビヨンなどを読み漁っていたが、時計製作のノウハウに関しては、いずれも断片的な情報であり、時計製作がイチから分かるものでは無かった。

webChronosのSNSにある彼の投稿は、かなり詳細にイチからトゥールビヨンの製作方法が記録されており、私にとっては国宝級に値する情報だ。
最初の投稿は2008年。今から約10年前だ。今の私の年齢に近く、子供のこととか親近感のわく投稿もある。

2週間くらい前に発見し、毎日の通勤電車の中で読むことが日課になっている。
目からウロコが落ちまくりで、改めてすごい人だと思った。
ここで得た情報をもとに、製作方法を大幅に見直したいと思う。

久しぶりに時計づくりを再開した

久しぶりに時計づくりを再開した。
なぜ時計づくりを休んでいたかというと、金欠で時計修理に時間をとったことと、時計作りのモチベーションが続かなかったからだ。
時間をかけて部品をつくったのに、それが失敗作となると、モチベーションが続かないのだ。

今回は設計を大幅に見直した。
ユニタスに収まるよう、トゥールビヨン・キャリッジのサイズを小さくした。
また、前回の設計ではトゥールビヨン・キャリッジの柱部分は、時計旋盤を使って別途作成していたが、今回は一体型にした。
一番の理由は、浅岡さんの設計がそうなっていたからだが・・・他の理由として、柱を圧入するときの精度にばらつきが出るので、それを解消したいのと、製作時間の短縮である。
時計旋盤で1/100mmの精度で柱を3本作って圧入するのに、なんだかんだで3時間くらいはかかる。
で、それが失敗作になると、モチベーションは一気に下がるのだ。
CNCの切削でも1時間半くらいかかるが、切削中は、ひと眠りしたり、ヤフオクで時計を探したり(笑)自由にできるので、その差は歴然である。

で、つくったのはこちら。
上部の柱が大きいのはウェイト(重し)を意識している。

今回の加工で、改めて認識したのは、CNCの加工精度だ。
円柱が上にいくほど細くなっている。
また、柱の先の細くなっている部分の小さい丸が完全な丸にならない。
原因は不明である。エンドミルをロングタイプに変えてみたが、改善されない。
現在は1mmのエンドミルで仕上げ加工をしているが、さらに細いものに変えたり、切削速度を下げたりすると改善されるかもしれない。

とりあえず、上にいくほど柱が細くなっても問題ない設計に変更した。切削はまだしていない。

Autodesk Fusion 360

トゥールビヨンの設計は2次元CADでやっている。理由は3次元CADは難しそうだから。

少し時間があったので、Autodesk Fusion 360に挑戦してみた。
Autodesk Fusion 360は、AutoCADで有名なオートデスク社の3次元CADソフトで、ホビーユースなら無料で使えるという、神みたいなソフトだ。マジ神(爆)

3年くらい前の安物パソコンなので、ソフトの起動に5分くらいかかる。一度起動したらそんなに遅くない。
操作は視覚的で、説明書を読まなくてもだいたいの操作は分かる。分からないところだけ、ネットで調べればなんとかなる。
図面はクラウドに保存されるようだ。

で、作図したのがこちら。3次元CADの初心者でも、1日弱でここまで描ける。
ただし、テンプやガンギなど部品は、ユニタスの3次元データがあるので、それを利用している。(このユニタスのデータ。寸法は正確ではないと思うが、使えなくはない。)

3次元CADは難しくない。
しかし、製作→設計ミス発見→図面修正→切削データ作成 を、ぱっとできるのは、使い慣れた2次元CADの方だ。
やっぱり2次元CADがいいや(笑)

トゥールビヨン キャリッジの組み立て(2回目)-1

キャリッジ2回目、いい感じだと思ったが・・・固定した4番車とガンギ車との間隔が大きすぎた。
他にも細かい設計ミスがあったので、新たにキャリッジをつくりなおす。
主要部品はCNCで切削できるので、電子レンジでチン感覚ですぐに部品がつくれる。
シンプルな切削なので、2つの部品の切削時間は20分程度だ。
時計旋盤でつくる部品は、デジタルゲージの効果で、簡単に1/100の精度でつくれる。
さて、今度はうまくいくだろうか。

この写真は失敗作

トゥールビヨン キャリッジの組み立て(2回目)

2回目のトゥールビヨンキャリッジの組み立て。

穴石を入れるのに何度も穴石を割ってしまう。
穴が小さすぎるのだ。しかし穴が大きすぎるとガバガバになり穴石が固定できないので微妙なさじ加減が必要である。
リーマーで少しづつ削りながら調整する。
ユニタスの穴石はストックが無くなってしまった。P7000の穴石が使えるようなのでそれを使う。

テンプもガンギもいい感じでセンターが出ている。
ガンギを手でまわすとテンプが動く。
もしかしたらいけるかもしれない。

トゥールビヨン キャリッジの製作(2回目)

2回目のトゥールビヨンのキャリッジ製作。
前回はテンプとガンギの上下の穴石のセンターがあわず失敗だったので、設計と加工方法を見直した。

設計は、部品の圧入を増やしてネジの数を減らしたり、全体的に強度を上げたり、精度の高い組み立てができる工夫をした。

加工は、組み立てた状態で穴をあけることで精度を上げる工夫をした。
ガンギ車の穴は、組み立てた状態でCNCに両面テープで固定し、ドリルで上穴を基準に下穴をあけた

テンプの穴は、時計旋盤に固定して上穴をあけた。超高速回転するトゥールビヨンだ。(笑)

時計旋盤のデジタル化

時計旋盤はクロススライドを使うことが多い。
クロススライドは、手バイトより簡単に精度の高い加工ができる。
便利なのだが目盛りを数えながらダイヤルをまわすのは効率が悪い。
ダイヤルの1目盛りは0.05mmなので、例えば2.0mm進めるには40回数えないといけない。
そこでデジタルマイクロメータを加工し、それで目盛りを読み取れるようにした。マイクロメータの加工は、先とでっぱりをカットしただけ。固定は両面テープ。

テールストックもデジタル化した。これでドリルの穴の深さが分かるようになった。これはかなり便利になった。
マクロメータはアマゾンで1,280円のプラスチック製。これで十分だ。

バイトは、ヤフオクで買った超硬ロウ付けバイトをつかっている。
シャンクは6.5mmなので、そのままではクロススライドに取り付けできないので、少し工夫して固定している。
2種類のバイトをオフセットして取り付け、バイトを交換しなくても2種類の加工ができるようにしている。

トゥールビヨンのキャリッジ

トゥールビヨンのキャリッジを組み立ててみる。
とりあえずそれっぽい形になったが・・・全然動かない。
テンプとガンギの上下の穴石のセンターがあっていない。
他にも課題は山積。心が折れそうだ。もっと時間が欲しい。
時計製作はそんなにあまくない。
とりあえず穴石のセンター出しは、部品をアセンブリした状態で穴あけをやってみる。