セイコー7S26

セイコー7S26をはじめて触った感想。
値段は安いし、見た目は雑な感じだし、メイドインチャイナだし、我々時計偏愛マニア(笑)には眼中に無い時計だが、すごく良いムーブだったので驚いた。

(1)精度が高い
1級の課題では、文字盤上下で、±5秒以内に収めないといけない。
こんな安物ムーブで大丈夫か?と思ったが、簡単に調整することができる。
ゼンマイの巻きが弱くても、姿勢を変えても、ちゃんと精度をキープする。
たぶんクロノメーターもパスできるのでは?

(2)組み立てが簡単
一般的な時計は、カレンダー部分やオシドリ部分にU字型のバネが使われている。これが曲者で、装着しづらく、すぐにどこかに飛んでいく。(笑)
7S26は、バネと他の部品が一体になっており、そのような心配が無い。
輪列受けを乗せるのにすごく苦労するムーブがある。
7S26は、輪列受けがいくつかのパーツに分かれているので、簡単に乗せられる。
部品点数が少ないのも良い。

(3)壊れない
70年代くらいの時計は、カレンダーまわりが壊れていることが多い。日付の変わる前後でカレンダーの調整をしてはいけない。
7S26は、どんな操作をしても壊れる気がしない構造だ。
一般的な時計は、自動巻き部分が劣化していることが多い。
7S26は、びっくりするほど単純な構造で、かつ高速回転する歯車は無いので、耐久性は高いと思われる。
オシドリやカレンダーまわりは鉄板のプレス加工だが、材料がちゃんとしているのか、バネの感じが良い。ネジやヒゲゼンマイの材料もいい感じだ。
安物といえども、しかるべき場所にちゃんと石が入っているのも良い。

7S26を見ていると、値段の高いムーブメントって、一体何が優れているのだろうと思ってしまう。

一級時計修理技能士の情報

ネットで、セイコー7S26の分解図を調べてみた。
↓ここにあった。
http://mrtokeiya.in.coocan.jp/watch/seikomaniapdf.htm

ついでに、1級の試験について書いているブログを見つけた。
受けの耐震装置は分解不要とのこと。大変参考になりました。
http://sariel-factory.seesaa.net/category/8888072-1.html

一級時計修理技能士の実技

一級時計修理技能士の実技の受験票が送られてきた。
課題は、セイコーの7N43と7S26だ。近年の課題はずっとこれみたいだ。
これら2つの時計を4時間30分以内にオーバーホールするのが課題だ。

両方とも家にあるので、早速分解組み立てをしてみた。
7N43は、時計学校でイヤになるほど分解組み立てしたが、卒業してから一度も触っていなかなった。
構造は完全に忘れていたが、体で覚えていたのか1時間くらいでできた。

7S26も初めてやるムーブだ。基本的に安物はやりませんので。(笑)
マジックレバーのピンを飛ばしたり、変な形の耐震装置の取り付けに手間取ったり、香箱をバラそうと奮闘したり(爆)、日車押さえの取り付けが分からなかったり、とかなり手間取った。結局3時間くらいかかった。ちなみに香箱はバラさなくていいみたいです。

まぁ普通でいけば合格だが、部品を失くすと不合格なので、油断は禁物だ。
もっと練習したいと思う。