1級時計技能士の賞状

1級時計技能士の賞状をもらってきた。
合格者は、賞状を時計組合まで取りに行かなければいけない。
賞状と金のバッチをもらった。バッチは2級は銀色だが1級は金色。どこで使うんだ?

今年の大阪時計学校の生徒数は7名と少ない。去年は定員ぎりぎりの15名だったから約半分だ。
ヒコミズノに生徒が流れたのかな。
私のとき生徒は4名しかおらず、休校寸前だったので、今年も無事開校できてよかった。
今年の生徒さんも頑張ってくださいね。

時計修理1級の試験に合格しました

時計修理1級の試験に合格しました。
合格通知は、ホームページとハガキで案内される。
ハガキは実にあっさりしたもの。
大阪での受検者数は25名で、合格者は15名であった。
合格率は60%
ほぼ全員が2級の合格者であり、受験資格として実務経験が10年以上、あるいは、2級合格後実務経験が2年以上必要であることを考えれば、なかなか狭き門だと思う。

時計修理技能士1級の実技試験を受験した-2

続いて試験で気づいたこと、感じたことを書く。

―――試験の感想―――
■試験の雰囲気
大阪会場で受験した。
会場は大阪市中央区南船場にある大阪写真会館。
受検者数は25名。全員1級の受験者。
試験官は6人くらいいたと思う。
机は普通の会議机で高さが低いため、作業台はあった方がよい。9割の人がもってきていた。
部品飛ばし対策をしている人は少なかった。まぁ1級だからね。
荷物を床に置いてはいけない。試験会場とは別階に控室があるのでそこに荷物を置けばよい。
携帯電話スマートフォンの持ち込みは不可だが、持っていれば預かってくれる。
会場は少し寒く感じた。

■時間
9時に集合。私は準備のため8時半に行ったが、説明は10時から、試験開始は10時半からと、開始時間に余裕があった。
試験時間は4時間30分。この間にクォーツと機械式の2つを分解組み立てする。
とにかく時間が足りない。私は20分前に終わった。あぶなかった。
昼休みは12時30分~13時30分の1時間。昼休みの間は試験会場に入れない。

■技術的なこと共通
持ち物検査は、オープナーとデジタルテスターを持参しているかのチェックのみ。
事前に配布されている試験問題に、書き込みが無いかチェックされる。
道具の貸し借りは厳禁。
分解できたら試験官に見せる。OKならはんこを押してくれる。

■技術的なことクォーツ時計
日頃中古の時計しかやらないが、新品の時計はネジが固い。
ネジを紛失した場合は再配布あり。ただし減点される。
クォーツソナーの利用はOK。
竜頭と巻真を外すのは猛烈に固い。会場にヒーターが用意されているので使えばよい。
裏蓋も結構固いので、持参のオープナーより、備え付けのオープナーを使う方がいいと思う。オープナーを持参していないと会場のオープナーが使えないので注意!
消費電流および歩度を測定するテスターは、試験前に使い方の説明がある。サイアク試験中に聞いてOK。

■技術的なこと機械式時計
ネジと、テンプの穴石、受石、耐震装置 を紛失した場合は再配布あり。ただし減点される。
輪列受けの耐震装置の分解は不要。
香箱の分解洗浄は不要。というかやったらだめ。

■受験者
大阪会場の受験者数は25名。1級だけでその人数。うち女性は4名程度だった。
早い人は午前中でほとんどの作業を終わらせる人もいた。
5人くらいは最後までできていなかった。
香川県から来ている人がいた。

■自分自身
時計の技能を試す試験というより、集中力や環境適応能力を試す試験のようだった。
別に緊張しているわけではないが、手が震えて細かい作業がしづらい。
いつもはしない組み立てミスをした。
部品の紛失はなかったが、何度が飛ばしてあせった・・・。
なんとか時間以内に2本の分解組み立てが完了した。
合格発表は3月15日。
うまくいったと思うが、合格できるかわからない。

時計修理技能士1級の実技試験を受験した-1

先日2月19日に、時計修理技能士1級の実技試験を受験した。
結果はまぁ後ほど述べるとして、試験内容を整理したいと思う。
試験内容は、あらかじめ渡される試験問題をアップしてもいいのだが、著作権上アレなので、概要だけまとめたいと思う。
―――試験概要―――
平成28年度 時計修理技能士1級 実技試験内容の概要
クォーツ時計と機械式時計の2つを分解組み立てする。
制限時間は4時間30分。

■クォーツ時計
機械は、セイコーのV743(7N43)
これをバラバラに分解し、洗浄して組み立てる。
分解した際、コイルブロックのコイル抵抗を測定する。
他に測定すべき項目は、電池電圧、消費電流、歩度である。
電池電圧は持参したテスターで、消費電流、歩度は会場にある測定器で測定する。
また巻真交換が必要。新しい巻真が支給されるのでそれの長さを調整して交換する。

■機械式時計
機械は、セイコーの7S26 セイコー5に入っている機械である。
これもクォーツと同様に、バラバラに分解し、洗浄して組み立てる。
測定すべき項目は、歩度、方振り幅である。
これらは持参したタイムグラファーで測定する。
歩度性能として文字盤上下で±10秒/日に調整が必要。

■持ち物
全ての道具を持参しなければいけない。
一般的な修理道具だけでなく、照明、タイムグラファー、テスター、裏蓋開閉器の持参が必要である。
なおタイムグラファー、テスター、照明は下記を使用した。


実技試験

今日2/29は1級時計士の実技試験の日だ。
先日受けた学科試験の方は自己採点でOKみたいだったので、この実技試験で合否が決まる。
試験時間は4時間30分。時間内にクォーツ時計と自動巻き時計の2つを分解・洗浄・組立する。
普段通りやれば問題無いのだが、吹けば飛ぶような部品を1つ失っただけでアウトなので何が起こるかわからない。
楽しみでもあり不安もあるが、悔いのないよう頑張りたいと思う。
ちなみに写真の試験用紙はあらかじめ配布されるもの。
L1040874

セイコー7S26

セイコー7S26をはじめて触った感想。
値段は安いし、見た目は雑な感じだし、メイドインチャイナだし、我々時計偏愛マニア(笑)には眼中に無い時計だが、すごく良いムーブだったので驚いた。

(1)精度が高い
1級の課題では、文字盤上下で、±5秒以内に収めないといけない。
こんな安物ムーブで大丈夫か?と思ったが、簡単に調整することができる。
ゼンマイの巻きが弱くても、姿勢を変えても、ちゃんと精度をキープする。
たぶんクロノメーターもパスできるのでは?

(2)組み立てが簡単
一般的な時計は、カレンダー部分やオシドリ部分にU字型のバネが使われている。これが曲者で、装着しづらく、すぐにどこかに飛んでいく。(笑)
7S26は、バネと他の部品が一体になっており、そのような心配が無い。
輪列受けを乗せるのにすごく苦労するムーブがある。
7S26は、輪列受けがいくつかのパーツに分かれているので、簡単に乗せられる。
部品点数が少ないのも良い。

(3)壊れない
70年代くらいの時計は、カレンダーまわりが壊れていることが多い。日付の変わる前後でカレンダーの調整をしてはいけない。
7S26は、どんな操作をしても壊れる気がしない構造だ。
一般的な時計は、自動巻き部分が劣化していることが多い。
7S26は、びっくりするほど単純な構造で、かつ高速回転する歯車は無いので、耐久性は高いと思われる。
オシドリやカレンダーまわりは鉄板のプレス加工だが、材料がちゃんとしているのか、バネの感じが良い。ネジやヒゲゼンマイの材料もいい感じだ。
安物といえども、しかるべき場所にちゃんと石が入っているのも良い。

7S26を見ていると、値段の高いムーブメントって、一体何が優れているのだろうと思ってしまう。

一級時計修理技能士の情報

ネットで、セイコー7S26の分解図を調べてみた。
↓ここにあった。
http://mrtokeiya.in.coocan.jp/watch/seikomaniapdf.htm

ついでに、1級の試験について書いているブログを見つけた。
受けの耐震装置は分解不要とのこと。大変参考になりました。
http://sariel-factory.seesaa.net/category/8888072-1.html

一級時計修理技能士の実技

一級時計修理技能士の実技の受験票が送られてきた。
課題は、セイコーの7N43と7S26だ。近年の課題はずっとこれみたいだ。
これら2つの時計を4時間30分以内にオーバーホールするのが課題だ。

両方とも家にあるので、早速分解組み立てをしてみた。
7N43は、時計学校でイヤになるほど分解組み立てしたが、卒業してから一度も触っていなかなった。
構造は完全に忘れていたが、体で覚えていたのか1時間くらいでできた。

7S26も初めてやるムーブだ。基本的に安物はやりませんので。(笑)
マジックレバーのピンを飛ばしたり、変な形の耐震装置の取り付けに手間取ったり、香箱をバラそうと奮闘したり(爆)、日車押さえの取り付けが分からなかったり、とかなり手間取った。結局3時間くらいかかった。ちなみに香箱はバラさなくていいみたいです。

まぁ普通でいけば合格だが、部品を失くすと不合格なので、油断は禁物だ。
もっと練習したいと思う。