メイド トゥールビヨン-超高級機械式腕時計に挑んだ日本のモノづくり

日本人で、極めて完成度の高いオンリーワンのトゥールビヨンを制作した、浅岡 肇氏の時計づくりを紹介した書籍。
浅岡氏は、独学で時計づくりを習得し、3D CADや自作のCNCを駆使して魅力的な時計を制作している。
ほんとスゴイなぁと思うし、あこがれの存在である。
私はまだ時計作りの入口に入った程度なので足元にも及ばないが、浅岡氏をロールモデルにして時計づくりを進めたいと思う。

Cut2D

Cut2DというCAMソフトを試した。
まずは体験版が無料で使えるのでそれをためした。
体験版は、Gコードが出力されない以外は、製品版と同じ機能である。
G-Simpleしか知らなかったので、使い勝手の良さに感動してしまった。
タブ付の切り抜きが簡単にできる。
ツールパスがちゃんと渦巻き状になる。
Z軸を最初におろす時、負荷がかかるのだが、それを軽減するよう、ゆらゆらしながらZ軸をおろす機能まである。
18,800円の出費はきついが、オリジナルマインドでぽちっと購入しましたよと。

G-Simple

G-SimpleというフリーのCAMソフトで切削データを作成した。

G-Simpleは、日本語化されており、書籍があり、操作は簡単で、無料のソフトである。
Gコードを自動的に作成してくれるので、初心者向きの良くできたソフトだと思うのだが、私の使用条件では機能が不足しており、結論としては使えないという判断をした。
1つめの機能不足は、タブ付きの切り抜きができないこと。タブとは、材料を切削して制作物を切り抜く際、全部切り抜くと制作物が飛んでしまうため、プラモデルみたいに足を付けて飛ばないようにするためのもの。ポケット加工で外周だけ加工する設定にすれば、切り抜き加工はできるし、自分でタブっぽい絵を書いてポケット加工すればいいのだが、イマイチうまくいかない。
2つめの機能不足は、島加工をすると、ワーク(材料)全体を削ろうとするので、無駄な切削が多く、また全体が削られるのでワークを固定することができない。
3つめの機能不足は、ツールパス(切削するエンドミルの経路)がまっすぐしか作成されないので、切削の効率が悪いこと。
ちゃんとしたCAMは渦巻き状に切削してくれるが、G-Simpleはまっすぐだけなので無駄なZ軸の上げ下げが多い。


結果としてはCut2DというCAMソフトを採用することにした。
Cut2Dは次回説明する。

リバースエンジニアリング

CNCを使うためには、まずCADとCAMで切削用のデータ(Gコード)を作成する必要がある。
CAD未経験の人はこの部分のハードルが高いと思う。
私は一応CADを使っていた経験があるので、使用に抵抗感はない。

いきなりオリジナルの時計の設計は無理なので、既存の時計の部品をリバースエンジニアリングして部品を作成する。

ちなみにこの部品は輪列受けという部品で歯車を固定する部品だ。
直径は2cmほどしかないが、時計の部品としてはかなり大きい部類である。

とりあえず2次元CADデータはできた。
現物と微妙に形が違うが・・・穴やポッチの寸法・位置は正しいので、部品として機能するはずだ。

ステッピングモーターの冷却

Z軸のステッピングモーターの振動は解消したが、少し動かすとなぜかZ軸だけかなり高温になる。
30分くらい使用すると、触れないくらい高温になる。
ネットで調べると、ファン付のヒートシンクを付けると改善されるらしい。
ネットで紹介されていたちょうど良いサイズのヒートシンクは、もう販売されてないようで、類似品を探したが見つからなかった。
しょうがないので、CPUの冷却用のヒートシンク+ファンを購入した。
なんか、たいそうな見た目になった・・・。ファンが光るし(笑)
効果は・・・まだ試していない。

ステッピングモーターの停止時の振動

ステッピングモーターのZ軸だけ、停止しているときに、ガガガガと大きな振動と音がある。動き出すと振動と音は止まる。
XY軸は、しゅーーーと静かな音が出ているだけだ。
Z軸のモーターを、別の軸のモーターと交換したが改善されない。
ネットで調べると、この振動は、ステッピングモーターが完全に止まらず、行ったり来たりしているのが原因のようだ。
よくわからないが、Z軸はスピンドル等の重みがモーターにかかっているのが原因かもしれない。
Mach3の設定にそれらしい項目が無かったので、CNCボード側の設定を変更してみる。
CNCボードのディップスイッチをいろいろ変更してみたところ、Decay Mode SettingsをFASTから25%に変更したら、かなり改善された。
Decay Mode Settingsが何を意味するのか分からない。

削りクズの拡散を防止

材料をCNCフライスで切削すると大量の削りクズが出る。
集塵機能を付けても、100%回収できるわけではない。
特に送りネジ部分に削りクズが付着するのは、良くないと思う。

とりあえずダンボールで削りクズの拡散を防止する対策をした。
ちょいと格好が悪いが、これで削りクズが飛び散ることはなくなった。
いずれは、ちゃんとしたカバーをつくりたいと思う。

CNCの集塵機能

ネットでCNCの情報を見ていると、掃除機による集塵機能を付けている人が多い。
細いエンドミルを使っていると、切削クズが原因でエンドミルが折れることもあるらしいので、ぜひ導入したい。
オリジナルマインドで集塵機作成キットを購入すると、3万円もするので自作することにした。
クーラントライナーホースキットと洗濯ホースでつくるのが良いみたいだ。

早速アマゾンでクーラントライナーホースキットと洗濯ホースを購入した。

クーラントライナーホースキットは、写真のように2つに分割され、オレンジの先端は外れた状態で来た。
手でつなげようとするも、硬くてつながらない。つなげるには専用工具が必要みたいだ。

この専用工具、調べてみると本体より高い。
しょうがないので、台所のコンロであぶって無理やりつなげた。
力いっぱいでつなげたので、手が痛くなった。

クーラントライナーホースをCNCに結束バンドで固定し、さらに洗濯ホースをつなげ、掃除機につないでみた。
すごくうるさい・・・。
掃除機からジェットエンジンみたいにキィーン爆音が鳴る。掃除機のモーターに重い負荷のかかっている音だ。
フレキシブルジョイントが細いため、その吸引に無駄に負荷がかかっているようだ。
そうゆうわけでクーラントライナーホースはボツとなった。

今度は100均で購入した掃除ノズルを付けてみた。
掃除機に負荷もかかっていないし。切削クズはちゃんと吸い込んでくれる。
すごくいい感じ♪
構造上、右側に切削クズが残るが、少なくとも切削している部分の除去は完璧だ。
というわけで、切削クズの除去には100均の掃除ヘッドがお勧めです。

切削クズは、掃除機と吸引口の間にバケツを入れて分離している人が多いが、私は小さい部品を削るだけなので大量のクズは出ない。紙パック掃除機を使っているが、毎回紙パックのクズを捨てれば問題なさそうだ。

Mach3のMotor Tuning and SetupのStep per

CNCの動きを調整する。
まずはボールペンの芯を取り付けて、ちゃんと動くか試してみる。
20mm移動するGコードを手動で入れ移動した距離を見る。
ん??何か変だ。20mm以上動く。

Mach3でステッピングモーターの設定を変える必要がある。

ステッピングモーターSERVO KH56KM2 902の仕様をネットで調べると、
1.8度/step となっている。
360(度)/1.8(度)=200(ステップ)
つまり200ステップで、モーターが1回転する計算になる。

送りネジのピッチは、手動で1回転させるとテーブルが1mm動くので、ネジピッチは1mmだ。
ネジピッチは1mmなので、そのまま200の値を設定すればよいはず。

Mach3のMotor Tuning and SetupのStep perに200を設定するが、まだ移動距離がおかしい。

結局、数字を少しづつ変えながら Step perを 270 にすることで正しい移動距離になることがわかった。
270の数字の根拠は不明である。ご存知の方がいれば教えてほしい。

ER11

CNCを購入したとき、エンドミルを取り付けるシャンクが何個か付いていたが、持っているエンドミルに合わない。
1mm以下の小さいドリルやエンドミルのシャンク径は1/8インチ(約3.175mm)が標準になっているが、それが使えない。
コレット部分はER11にするのが、融通がきいて良いようだ。
スピンドルの軸の太さは6mm。ベアリングを交換するのが面倒なので、軸の太さが6mmの太さのER11を探したが短いのしかない。
海外のサイトでER11の頭の部分だけを販売しているのを発見!しかも穴径は6mmだ。
購入して取り付けたところ、ブレも無くいい感じだ。

参考
Motor Shaft Collet Chuck ER11 A 6mm Extension Rod Holder Toolholder CNC Milling